酒類用語ミニ解説
- ・アル添酒(あるてんしゅ)
- 上槽前、あるいは上槽後に醸造用アルコールを添加して酒の香味を整え酒質を強化したアルコール添加酒の略称。
- ・桶取引(おけとりひき)
- 自分の蔵だけでは製造が間に合わないとき他の蔵の酒を桶ごと買い上げること。
- ・雄町(おまち)
- 岡山県生産の米で、亀の尾と共に古くから酒米として知られるが、今や年間生産わずか1000俵の、まさに幻の米。栽培しにくい品種である。
- ・櫂入れ(かいいれ)
- 山卸し作業で、蒸米と麹と水の混合物を櫂棒で何時間もすりつぶすことをいう。
- ・片白(かたはく)
- にごり酒のことで、醪を粗い布でこしただけの白く濁っている酒。
- ・亀の尾(かめのお)
- 山形県で作られた代表的な酒米で、長い間姿を消していた幻米であったのが、近年再生産され「亀の翁」という大吟醸を世に出した。
- ・生一本(きいっぽん)
- 米及び米麹のみを原料としていて自醸酒であり、原酒であるものをいう。
- ・利酒(ききざけ)
- 酒の特徴を見ること。色を見、香りをかいで口に含み味わうなどして評価する。
- ・貴醸酒(きじょうしゅ)
- 酒を仕込むのに、水の一部分を清酒で置き換えたもの。こってりと濃醇タイプの高級酒。
- ・生もと(きもと)
- 摺りもとともいい、乳酸菌の自然増殖を導いて酵母の繁殖をはかる酒母造りの方法。
- ・吟醸香(ぎんじょうか)
- 吟醸酒から出るフルーティな香りのことで、ワインの香りに似ている。この香りが吟醸酒の味をいっそう引き立てている。
- ・吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
- 吟味した酒造好適米を4割以上精米し、長期低温発酵で醸したもの。これによって吟醸香という素晴らしい香りがでる。
- ・口噛み酒(くちかみざけ)
- 酒造りのルーツ。穀物や果物を口で噛むことにより、唾液に含まれる糖化酵素が澱粉を糖分に変えた。
- ・原酒(げんしゅ)
- 普通はしぼったあとに水を加えてアルコール分を調整するが原酒は加水しないもの。アルコール分が高く、味も濃厚。
- ・麹(こうじ)
- 蒸米に麹菌の胞子をまいてつくる。その後はたんねんに手でかきまぜ、それを何度も繰り返す。麹ができるまでだいたい45時間かかる。
- ・麹蓋(こうじぶた)
- 甑から出した蒸米を広げて麹菌を植えつけるときに使う。一般には縦45cm、横30cm、高さ 5cmの木の箱。
- ・麹室(こうじむろ)
- 麹菌を植えつけた蒸米を2日かけて麹米にする際に入れる部屋。
- ・硬度(こうど)
- 原料となる水をその硬度によって硬水と軟水に分類する。水に含まれるカリウム、カルシウムなどの無機物によって決定される。
- ・甑(こしき)
- 日本酒を作るとき、精白された原料米を洗い、水につけたあと蒸す。その時に使う蒸米機のこと。
- ・古酒(こしゅ)
- 低温の長期貯蔵で味にまろやかさが増したもの。寒仕込みの酒がその年度末の6月30日を過ぎたものと、3年貯蔵されたものの2種類ある。
- ・骨酒(こつしゅ)
- フグのひれ酒のように、淡泊な焼き魚に燗酒を注いだもの。
- ・五百万石(ごひゃくまんごく)
- 新潟県産の酒造好適米。有機農法で栽培されている。
- ・酒林(さかばやし)
- 酒屋の軒先に吊り下がっている大きな杉の玉。江戸時代には看板の役目を果たしていた造り酒屋のシンボルである。杉玉ともいう。
- ・酒粕(さけかす)
- 日本酒醸造の際、醪を圧搾して清酒をとった後、袋の中に残る固形のかす。
- ・三増酒(さんぞうしゅ)
- 三倍増醸酒の略語。終戦後の食料難の中で作られた安い酒。アルコールだけでなく、糖分や化学調味料も添加するため三倍の量になる。
- ・三段仕込み(さんだんじこみ)
- 初添え、中添え、留添えと3回に分けて醪の発酵作業を行うこと。20日前後でアルコール度が20%程度になる。
- ・自醸酒(じじょうしゅ)
- その蔵でできた酒。
- ・酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)
- 普通ご飯で食べるのと違って酒造りに適する米。大粒で心白がある、蛋白質の含有量が高くない、粒ぞろいがよい、水分含有量が適正である、という特性を合わせ持つ。
- ・酒母(しゅぼ)
- 水に麹と蒸米を入れ、酵母菌を添加して作る。醪を発酵させる原動力となるので、十分な酵母が繁殖していなければならない。「もと」ともいう。
- ・純米酒(じゅんまいしゅ)
- 原料が米、米麹、水だけで作られる本来の清酒のこと。純粋酒ともいう。濃醇な味わいで、米のうまみが生きる。
- ・上槽(じょうそう)
- 清酒醪を圧搾濾過して、酒と酒粕に分離することをいい、「ふながけ」ともいわれる。
- ・新酒ばな(しんしゅばな)
- しぼりたての清酒特有の匂い。麹ばなともいう。
- ・清酒(すみざけ)
- 万葉時代に最も高価な酒であったといわれる。上澄みまたは布でこした酒のこと。
- ・精白(せいはく)
- 玄米を磨き、糠を取り除くことで、精米ともいう。よく精白しないと味も香りも悪いものになってしまう。
- ・精白歩合(せいはくぶあい)
- 玄米を精白するとき、精白で残った米の割合を精米歩合、取り除いた糠の割合を精白歩合という。
- ・増醸酒(ぞうじょうしゅ)
- 米、米麹と水の他に醸造用糖類、有機酸、アミノ酸などを加えたもの。
- ・速醸もと(そくじょうもと)
- 明治42年に考案された酒母造りの方法。仕込みの最初から精製された乳酸菌を加えてしまう。現在もっとも一般化している。
- ・高嶺錦(たかねにしき)
- 酒造好適米として有名な長野県産の酒米。
- ・暖気樽(だきだる)
- この中にお湯を入れ酒母の中に入れると、酒母の温度が上昇し、蒸米の溶解糖化を進める。
- ・樽酒(たるざけ)
- 樽に入れ、樽の木の香り(木香)を生かした酒。樽の材料として杉を使い、なかでも吉野杉は最高とされている。
- ・つわり香(つわりか)
- 醪のアルコール発酵が微弱となって腐造性乳酸菌が増殖し発生する匂い。酸臭も同様。
- ・手造り(てづくり)
- 純米酒か本醸造酒であり、昔ながらの甑、麹蓋を使い、生もと系または普通速醸酒母をもとに醸造したもの。
- ・杜氏(とうじ)
- 酒蔵の親方。その蔵の酒造りにあたって蔵人を指揮、監督して蔵内を統括する。
- ・生酒(なまざけ)
- なましゅ、きざけともいい、醪をしぼって、こしたままで低温殺菌する以前のもの。香りがはなやかで味も新鮮。
- ・日本酒度(にほんしゅど)
- 日本酒度計という比重計を使って、日本酒の甘口、辛口を表す方法。15℃に調温した日本酒に浮かべて、密度1の水の重さを0とし、マイナスの数値が大きいほど甘口。プラスの数値が大きいほど辛口となる。
- ・濃醇(のうじゅん)
- 酒の糖分、酸度がともに多いもの。逆に少ないものは淡麗という。また、糖分が多く酸度が少ない酒は甘口、糖分が少なく酸度が多い酒は辛口である。
- ・呑切り(のみきり)
- たくさん並んでいる樽をひとつずつ回って酒の状態を調べること。
- ・破精(はぜ)
- 麹の菌糸の生え方で、総破精・馬鹿破精・突き破精・ヌリ破精の4種類ある。
- ・半切(はんぎり)
- 酒母(もと)は、半切という桶の中で作る。酒母の育成の方法として、速醸系と生もと系がある。
- ・秘蔵酒(ひぞうしゅ)
- 高度精白によってつくられた良質な酒で、つくられてから5年以上低温貯蔵して味がまろやかになったもの。
- ・老香(ひねか)
- 古酒になると生じる香りである。中国の老酒の匂いに似ている。
- ・平行複発酵(へいこうふくはっこう)
- 糖化から発酵の段階を同時進行させる方法。
- ・本仕込み(ほんじこみ)
- アルコールの使用量を風味調整用程度の少量に押さえて、糖類などは使用しないスッキリした質のもの。
- ・本醸造(ほんじょうぞう)
- 醸造用アルコールの添加量が、白米1tに対して120lにおさえられ、糖類が使用されていないもの。本造りともいう。
- ・宮水(みやみず)
- 灘の宮水。酒造好適水のひとつ。硬水で発酵が強く、辛口酒になる。最初は西宮の水といわれていたものが略された。
- ・諸白(もろはく)
- 室町時代から戦国時代にかけて創製された澄み酒。その名の通り掛米麹米ともに精白米を使って醸造される。
- ・醪(もろみ)
- 酒母ができると、麹と蒸米と水を加えて醪を作る。この作業には一般に三段仕込みが行われる。
- ・八しおりの酒(やしおりのさけ)
- 「古事記」「日本書紀」に出てくる酒の名で、熟成醪をしぼって粕をとり、さらに仕込むといった高度なもの。
- ・山田錦(やまだにしき)
- 兵庫県産の酒造好適米。その人気は高く、全国の酒造家の求めに応じきれないほど。
- ・山廃(やまはい)
- 山卸し廃止もと。生もと仕込みの操作のうち「山卸し」という作業を廃止したことにより、労力と時間の節約となった。
- ・YK35(ワイケーさんじゅうご)
- Yは山田錦、Kは協会酵母、35は精米歩合が35%を意味する。米の65%を糠として捨てた山田錦で協会酵母を使って仕込んだ吟醸酒は鑑評会で入賞することが多いという。
最終更新 2009年 1月 31日(土曜日) 22:30
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